6月12日~13日、長野県は木曾の奈良井宿に行ってきました。
4月にお伝えした全国を巡回する連続勉強会、日本建築研鑚会
第2回目、木曾講座の受講のためです。
学生時代、スキー部の合宿で北信に4ヶ月暮らしていましたが、
このあたりは初めて、江戸中山道の面影が残る街並みです。
今回のテーマは、漆と建築・木曾ひのきです。
奈良井宿から一駅戻った平沢は、
テーブルや建築などの大物の漆塗が特色の町です。
まずは、金閣寺の修復工事にたずさわった「かどや漆器店」へ
山車の車輪を見ながら、工程の説明を受けます。
次に訪れたのは、巣山定一さんの漆工房。
ガスや動力を使わないで精製された漆にこだわりを持っている
漆作家さんです。上の写真の道具を使い、太陽の熱で水分を
とばし、精製します。手黒目(てぐろめ)という作業です。
作業の様子です。
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巣山さんは、とっても気さくな方で、工房の中まで案内していただき、
人毛で作るハケや手黒目で出来た漆を見せていただきました。
塗り物の照りが独特な美しさです。
床に漆を施した実例も見学させていただきました。
鏡のような美しさ、手入れも簡単だそうです。
その後、木曾漆器館で金閣寺修復工事のDVDを見て
石本ゆう子館長のお話、平沢の職方が大物を扱える秘密は、
平沢から産出する【さび土】と言う珪藻土で作るパテの
下地処理に秘密がありそうです。
今日のラストは、明日のテーマでもある木曾ひのき製材所の
見学です。林場に杉が一本もないので質問すると、
地域柄、杉は使わないそう、ひのきの里で愚問でした。
今回の企画・運営は日本民家再生協会の長野県若手事業者
本城さんはじめ信州民家の会の面々、もちろん夜は楽しく懇親会。
2日目は都合で参加できず残念でしたが、皆さんのおかげで
1日でも大満足の勉強会でした。ありがとうございます。