各地の作法に学ぶ「日本建築研鑽会」、今回は土佐の高知です。
土佐材の販路を広げるべく、官民協力しツアーをバックアップしていただきました。
関係者の皆様、お世話になり、ありがとうございます。
県立森林技術センターでは、木材の強度試験や熱処理(乾燥)試験の
様子を見学させていただきました。
土佐材の品質を安全で確かなものにする取り組みです。
原木市場では、圧倒的な材積に驚きました。これだけの需要があるのか?
お話を聞くと、日本の林業が抱える問題が高知にもありました。
1964年の完全自由化により、関税のかからない外材に押され、
価格は下がるだけ下がり、山を維持していくだけの利益が見込めません。
親子三代にわたり、大事に育てた杉原木の価格を、
大根の体積に換算すると、なんと25円!これで山を維持していくのは無理!
そのため、林家(持ち主)は継続的な作業をあきらめ、伐採業者に斜面で売却、
業者は採算性を重視し、皆伐を行い、次の植林はしない。
このままではいけないと、県も森林組合も土佐材の生き残る道を
真剣に探しています。
土佐材で造る家にも案内されました。
温暖なイメージがある高知ですが、木の目は細やかで美しい材です。
土佐漆喰との組み合わせで、心和む家がまもなく完成です。
いかがでしょう?龍馬の木で家を造りませんか?
原木市場で、素晴らしく目の込んだ大径木を見つけました。
馬路村の国有林から産出されたそうです。
その馬路村を翌日見学することが出来ました。
杉の天然林は初めてです。千年近い杉の林は神々しく雄大です。
木は、その国の自然環境と密接に結びついています。
高知県が始めた取り組みが成功し、山の維持管理が可能になり、
美しい山を次世代へつなげることが出来るように、そしてその活動が
日本中へ広がりますように。