終わり、そして新たな始まり
(友人との往復書簡より)
by 久保隆一
大竹さんからの電話で始まった「民家再生」の物語は、住宅は暮らすためにあるものだと改めて、自分に気づかせてくれた。暮らし=生活をすることを自分自身に問い直し、民家を再生することを「延期」(私はそう思っている)した友人の決断は、素晴らしい結論だと思う。
民家再生のストーリーをホームページ上で、中継していこうと思っていた私のもくろみも「延期」になってしまったが…。
今回の出来事は、私にもうひとつのプレゼントをくれた。「民家再生の勉強」を始めようと勉強の場を探し、「日本民家再生リサイクル協会」(通称JMRA)に出会ったことだ。その協会の教育プロフラム「民家の学校」が4月からスタートし、毎月1回の見学会やワークショップのイベントがすでに6回終了している。
上の写真は9月8日に山梨の塩山に見学会に行った時のもので、左側は200年前の民家の軸組みだけを残し、曳き家をし、持ち上げ、新しく基礎を造り始めようとしているところ。右側は別の再生工事が終了した民家で、現在はワイナリーに使われている。
再生となった民家はたくさん見学してきたが、再生工事中の民家は初めてであり、今回の見学で、だいぶイメージができてきたように思う。上記の続きとして、基礎ができたら新しい土台を敷き、柱の仕口を調整し、持ち上げた軸組みをおろし、仕上げ工事に移行していくのだろう。
次に、古材のリサイクル工場を見学した。ここは、協会メンバーが経営している工務店の付属施設で、解体現場から運んできた梁、柱、建具などを左の写真のように水洗いをし、荏油などで磨き上げ、右の写真のようにリサイクル材として販売をする。
長い年月を経た檜やケヤキはそれ自体で充分な存在感を待つ、出番を静かに待っている 木材は、魅力的であった。
自分の知らない建築の世界はまだまだたくさんある。
この先、勉強していくことがたくさんあるのは、素敵なことだ。
これからもこの協会で学んでいこう
次回の友人からのオーダーに答えられるように・・・・・。
民家再生物語〜飛騨の国から(1)
民家再生物語〜飛騨の国から(2)
民家再生物語〜飛騨の国から(3)
民家再生物語〜飛騨の国から(4)
民家再生物語〜飛騨の国から(5)
民家再生物語〜飛騨の国から(6)
古民家再生施工事例 A様邸