漆喰・本堂修復工事

いよいよ、仕上げの漆喰工事が始まりました。 初冬の青空に漆喰の白い壁が映えます。 今回の漆喰は、外部なので油漆喰。 油を漆喰に混ぜ、雨はじきを良くしてあります。 上の写真をよく見ると、繊維が確認できます。 麻を晒して細かく裂いたもの、 この繊維が絡み合い、壁を割れにくくします。 昨今、漆喰流行りですが、繊維が入っていない クリーム状のものが多く見受けられます。 繊維入りの漆喰を丁寧に塗り込め、 表面は、あくまでもなめらかで、気持ちの良い 仕上がりです。...

面戸・本堂修復工事

面戸(めんど): 簡単に説明すると瓦と瓦の間、軒先と瓦の間。 瓦よりも劣化の早いこの部分を修復しています。 上の写真で、瓦と瓦の間の黒く見える部分です。 職人さんが、黒い漆喰を小さな鏝を使い、 丁寧に丁寧に、隙間を埋めていきます。 大きな本堂は、小さな道具で、コツコツと...

洗い・本堂修復工事

土壁の中塗りが終わり、木部【洗い】の工程に 入りました。薬品を使う場合もありますが、 今回は、水、のみ。 本当に水だけ?と、思うほどきれいになります。 写真手前の木目がはっきりしている部分は、 洗い後、奥の黒い部分は洗い前です。 こんな道具を使います。 藁を束ねブラシ状にし、穂先をたたいて柔らかく 水もたっぷり含むようになっています。 左が使用前の水、右が使用後、真っ黒です。 冒頭の写真に戻りますが、 ブラシと水で、木を傷めないように根気よく、...

ちりとんぼ・本堂修復工事

なにも手を打たないと、柱等の木部と土壁の間に やがて隙間が出来てしまいます。 柱に堀込【ちりじゃくり】を入れて、土壁をめり込ま したりしますが、今回、古い壁を剥がしてみると、 木部に堀込がありません。 そこで今回は、木部と土壁が接する部分に 【散りとんぼ】を打ちました。 伝統工法ですが、今では珍しい作業です。 細い釘に麻縄が巻き付けてあり、この麻縄が 離れようとする土壁を引きつけます。 これを1本、1本、取り付けます。 そうすると、最初の写真のようになります。...

本堂修復工事

北区十条のお寺で、本堂の修復工事をさせて いただくことになりました。 本堂全体へ足場を掛け、痛んだ部分を調べ 修復計画を立てます。 今回は特に漆喰壁がだいぶ傷んでいたので 漆喰部分を剥がし、その下の土壁も 粘りが無くなっていたので、剥がして下地から 塗り替えです。 今回も左官職は、練馬の蔵でお世話になった 小松さんに絶大な信頼で、お願いしました。 そのほかに、銅板職、瓦職、あく洗い職、 社寺のプロ達が腕をふるってくれます。 みなさんよろしくお願いします。 練馬区の蔵については、こちら...