国産木材の家・N邸 竣工

昨日、国産木材の家・N邸の完成引渡を行いました。 約7ヶ月に及ぶ工事が無事に終わり、 建物がお客様の元へ、感慨無量の瞬間です。 5月の解体から始まり、お客様と共に木材の産地訪問、 その材を皆既日食の日に建て方をし、上棟。 大工工事、左官工事を経て、行政検査、社内検査、 設計事務所検査、施主検査の末のお引き渡しです。 上の写真、床はサワラ、柱が杉、梁が松、すべて国産木材です。 そして壁は、珪藻土。障子は旧家屋のものを再利用しています。 再利用は、この住宅の特徴、下の写真は、 築50年の旧家屋和室を丁寧に解体し、新築家屋の中に...

転用(旧宅の材料を新しい家に使う)

住宅の解体作業中です。 機械でつぶさずに、手作業で分解しています。 なぜ? 写真は床の間ですが、床柱や違い棚などの 部材を新しい家に 転用(リサイクル)するためです。 今回の計画では、 障子などの建具も再利用します。 すべてを新しい材料で作らずに、永年住み続け た家の一部を歴史と共に移築します。 天井裏に、御幣が残っていました。 これを降ろすと、 上棟時の記録を見ることが出来ます。 屋根の下地は、杉の表面に近い部分を使用し、 その上に杉皮を敷いています。 一本の杉を無駄なく使用していた先人の知恵、...

文庫蔵移築再生工事・竣工

11月8日、北越谷・文庫蔵移築再生工事の 竣工式が行われました。 8月に建物を引き渡した後、お客様ご自身で 見事に外構を完成させ、今日を迎えました。 見学会と設計者による記念講演が行われ、 その後、奥様の美味しい手作り料理で 和やかに親睦パーティー。 施主の安田様や私が卒業した 「民家の学校」の同窓生による長唄や サックスの演奏などがあり、 やがて、ちょっとした同窓会のようになり、 大変楽しい時間を過ごしました。 お客様自らが立ち上げたブログもご覧ください。 文庫蔵移築再生 明治20年代に建築された蔵を解体して埼玉に移築します。...

文庫蔵移築再生工事

2月から始めた文庫蔵移築再生工事。 やっと足場が取れて、まもなく完成です。 普通の住宅地に突然現れた民家! 皆さん立ち止まり、興味深げに見あげていきます。 今回はお施主様のセルフビルドの部分があり、 ゆっくりとしたペースで進んでいますが、 この蔵が過ごしてきた時間を考えると1200分の 5ヶ月に過ぎません。 さらにこの地で100年過ごすのであれば、 納得のいく工事を時間をかけて行うのも すてきな、贅沢なことです。 上の写真は、2階のギャラリーになる部分です。 完成が楽しみです。 お客様自らが立ち上げたブログも ご覧ください。...

もう一つの蔵

1月23日に紹介させていただいた練馬区の蔵の再生工事が始まりました。 痛みのひどいところを部分的に再生するという工事、一棟完全に再生させるよりも難しい工事になりますが、現地再生が決まったのでうれしい工事です。 一番痛んでいた腰(地面から2m弱)の部分を取り除くのですが、直上の土壁が落ちないようにL型の鉄骨で押さえます。茶色に見えている部分は、杉の皮、今で言う防水紙の役目をになっています。自然からの贈り物を無駄なく使う先人の知恵、山も自然も潤う方法です。 練馬区の蔵...