民家再生物語〜飛騨の国から(3)

民家の下見に行く 11月25日~26日

(友人との往復書簡より)
by 久保隆一

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今回の話の舞台となる民家

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民家からの眺望(乗鞍)

美術予備校時代からの友人の依頼で、高山に行ってきました。依頼の内容は、「民家を借りてリフォームを行い、そこで暮らしたい、それが可能かどうか民家を見て欲しい。」と、言うものです。

民家のリフォームに以前から興味がありましたし、特に「匠の里」で知られる「飛騨高山」の民家と言うこともあり、喜び勇んで出発です。友人は高山での生活で、若い陶芸家や一刀彫師とも友好があるとか、友人夫婦の友達は以前から「個性的な」人たちばかりですので、今回はどんな出会いが待っているか、楽しみにしながら名古屋経由で高山へ、途中名古屋で一泊し、美大時代の友人夫婦とも久しぶりに会うことができました。

高山に到着後、朝市を見学し飛騨の家具屋に立ち寄り、古い町並みを歩いてる途中の骨董屋で「長火鉢」を衝動買いしそうになったり、出だしは観光気分。お昼は自然食料品の店で健康的にすませいざ民家へ出発です。

到着しまず驚いたのが、上の写真にもあるような美しい眺望です。その民家はなだらかな丘の中腹にあり、遠く山脈を見渡すことができます。北側に山、東に清らかな小川の流れ、西側に道路、これで南側に池があったら「風水上」最高のロケーションです。まずロケーションは高い評点がつきました。家を選ぶにあたり敷地の選定は非常に重要なポイントです

次に家本体ですが、まず床下を懐中電灯を使いチェック非常に乾いていい状態でした。大家さんにご挨拶をして内部へ、やはり「釘」を一本も使用しないで組み立てられた「飛騨の匠」の仕事がされた家でした。・・・が・・・やはり内装は痛みが激しく壁の隙間から外の光が差し込んでいます。

しかし、日本の伝統家屋は壁に頼らずに、土台、柱、梁の木造フレームで基本的に成り立っている為、それらに腐敗がなければ大丈夫。後は壁を補強してやれば充分使えそうです。「結構な金額がかかるけれども、リフォームすれば充分快適な家になる」これが私の最初の回答でした。

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乾燥状態にある土台廻り

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釘などの金物を使用しない 小屋組み

民家再生物語〜飛騨の国から(1)
民家再生物語〜飛騨の国から(2)
民家再生物語〜飛騨の国から(4)
民家再生物語〜飛騨の国から(5)
民家再生物語〜飛騨の国から(6)
民家再生物語〜飛騨の国から(7)
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